2016年7月 日頃の運動の大切さ

転倒を予防するために日頃から運動を

「コスモス」は2016年7月16日第3回健康セミナーを開催しました。今回は「日頃の運動の大切さ」と題して、こちらの病院のリハビリテーション部副部長で理学療法士の荒尾賢さんに講演していただきました。  お話は、脳卒中後の患者の半数が経験するという転倒の防止を中心に話をしてもらいました。転倒による骨折などの大ケガから寝たきりになったり、一度の転倒での恐怖感から運動量が減って身体能力が低下し寝たきりなるなど、転倒は重大な結果を引き起こす問題です。 在宅脳卒中者の転倒は、ほとんどが自宅内で起きています。その原因には身体と環境の要因があり、身体的要因には@筋力・バランスの低下、A視力の低下、B睡眠薬の内服、C頻尿による焦り、D起立性低血圧(めまい)などがあり、環境要因としては@段差、A滑りやすい床、B暗い照明、Cスリッパ履き、D躓く原因の電気コード、こたつや布団の裾の存在などがあるようです。  従って、転倒予防策としては、家の中の環境を整備し、身体能力を維持・向上させることが必要です。 講座の後半では、くびや腰・胸・背中・太もも・ふくらはぎなど身体の柔軟性を保つストレッチや、転ばないための大腿四頭筋・腸腰筋・中臀筋などの筋力訓練法を参加者全員で実際にやってみました。また、骨粗しょう症予防として、散歩や買い物で歩くことやこまめに家事仕事などの軽い運動を続けることが大事だそうです。不注意防止には、歩きながら簡単な計算をするなど身体運動と頭の体操といった二つの事を同時に行う「ダブルタスク(二重課題)」訓練が有効であることも学びました。